お正月には、決まってお雑煮を食べるというご家庭も多いと思います。
お雑煮は古くから日本に伝わる伝統食ですが、その中身は地域によってさまざまで、お餅の形から出汁、具材、調理方法まで違います。
ここまで地域差のでる食べ物も珍しいですよね。
今回は、何事も派手好き、こってり濃厚な味がお好み?!なイメージの強い、名古屋のお雑煮を紹介したいと思います。
Contents
《雑煮の作り方》名古屋風の基本レシピとは
実は名古屋のお雑煮、日本一シンプルだと言われています。
ここでそのレシピを紹介します。
名古屋のお雑煮・基本のレシピ(一人分)
- 切り餅 2切
- もち菜 3株
- 白だし 大さじ1
- 水 150ml
- 醤油 少々
- かつお節 軽くひとつまみ
名古屋のお雑煮作り方
- もち菜を三センチ幅程度の大きさに切ります
- 鍋に水と白だし、切ったもち菜を入れ蓋をし2分火にかけます
- お餅を入れ蓋をし5分煮ます。醤油で味を調えます
- 器に盛りつけ、食べる直前にかつお節をかけて完成!
とっても簡単ですよね。
10分あれば完成しますし、具材も揃える必要がないのでお正月以外でも食べたいときにすぐ作ることができるのが魅力ではないでしょうか。
実際に、お正月以外でもお餅があればお雑煮を作る、という方も多いようです。
また、唯一の具材であるもち菜は古くから尾張地方で栽培されている伝統野菜で正月菜とも呼ばれています。
小松菜に似ていますが、小松菜よりも色が淡くてやわらかく、ほのかな甘みが特徴の野菜です。
最近ではその生産量が減ってきており、小松菜で代用する家庭も多いのだとか。
シンプルなお雑煮だけに、具材にはこだわりたいですね。
名古屋の雑煮のだしって?
名古屋のお雑煮の汁はすまし汁仕立てになります。
名古屋といえば味噌カツや味噌煮込みうどんなど、赤味噌を使った名古屋飯が有名なのできっとお雑煮も味噌ベースだ、と思われている方も多いようです。
先程のレシピで紹介したように、白だしを使えば簡単に作ることができますが、きちんと出汁から取りたい方は昆布とかつお節で出汁を取ってから醤油で味付けしましょう。
実はシンプルな雑煮だった!名古屋名物の赤味噌が使われないわけとは
名古屋といえば派手なことが好きな土地柄ですが、そのお雑煮はとてもシンプルで、悪く言えば地味、質素なお雑煮です。
特産物の赤味噌が一切入らないのも不思議ですね。
どうしてこのようなお雑煮が食べられるようになったのかは、さまざまな説があります。
徳川吉宗・質素倹約説
尾張藩主の徳川宗春は派手好きで、祭りや芝居が大好きでした。
質素倹約で幕藩体制を整えようとしていた将軍・徳川吉宗は徳川宗春の豪華な食事を叱り、そこから雑煮も質素になった。という説
名を上げる説
もち菜を「名」に掛け、お餅と一緒に「名(名前)をもち上げる」つまり出世するというゲン担ぎであるという説
倹約気質説
ケチだと言われる名古屋人ですが、普段は質素倹約して、結婚式などここぞという時には派手なことをする風習で、これは家康公時代から続く地域の倹約気質の現れだ、という説。
このようにさまざまな説がありますがいずれも明確な根拠は無いと言われています。
最後に
とてもシンプルな名古屋のお雑煮。「お餅そのもののおいしさを味わう」そう言った意味も込められているのではないでしょうか。
今回は名古屋のお雑煮を紹介しました。
日本全国にはまだまだ様々なお雑煮が食べられていますので、自分の食べているお雑煮と比べてみるのも新たな発見が見つかりおもしろいかもしれません。
味や見た目は違っても、お雑煮はお正月に新しい一年の無病息災を祈って食べる伝統的な食べ物に変わりはありません。家族そろって、おいしく頂きたいものですね。